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胃がん

胃とは、「胃袋」とも呼ばれるように口から食道を通って入ってきた食べ物が蓄えられる袋状の臓器です。空腹のときは平べったくしぼんでいますが、満腹のときには風船のようにふくらんで1.5-2.5Lもの容積となります。

胃の主な働きは胃液と蠕動(ぜんどう)運動による食べ物の消化です。胃には噴門(ふんもん)と呼ばれる入り口、幽門(ゆうもん)と呼ばれる出口があり、食べ物の通過の調節を行っています。食べ物が胃の中に入ると、噴門から幽門に向かって胃の収縮運動である蠕動(ぜんどう)運動が起こり食べ物がすりつぶされます。またこのとき強力な胃酸や消化酵素などが含まれる胃液が分泌されます。

胃がんとは

胃の壁は内側から粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5層に分けられます。胃がんは、最も内側にある粘膜層の細胞が何らかの原因によってがん化することで発生し、外側に向かって広がっていきます。がんが粘膜または粘膜下層にとどまっているものを「早期胃がん」と呼び、固有筋層より深く広がっているものを「進行胃がん」と呼びます。進行がんとなった場合にはリンパ節への転移、肺や肝臓などの離れた臓器への転移(遠隔転移)が起こりやすくなり、お腹全体にがん細胞が散布される場合もあります(腹膜播種といいます)。

胃がんの原因

胃がんの原因のほとんどがヘリコバクター・ピロリ菌が原因とされており、ピロリ菌未感染の胃の粘膜に生じる胃がんは全胃がんの1%前後と報告されています。

しかし、現在では衛生環境の改善とピロリ除菌の治療の普及のため、ピロリ菌感染の頻度は減少してきています。ただし最新がん統計によるがん罹患数では、胃がんは男性において2位、女性において4位であり、依然として日本人に多いがんと言えます。

胃がんの症状
胃がんが進行した場合には、食欲不振や体重減少、みぞおち辺りの痛みを自覚します。また出血を伴う場合にはタール便という真っ黒い便や吐血、貧血の進行によるふらつきや息切れなどの症状を認めることがあります。ただし初期の段階で症状を自覚することはほとんどありません。
また症状に関しては胃がん特有のものではなく、胃潰瘍や胃以外の病気の場合でも起こりえます。
胃がんの検査と診断

上記の症状があれば胃がんを疑い、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行います。胃がんが疑われる場合には組織を採取して調べたりすることもあります。また胃がん以外の病気を除外する目的で、血液検査や腹部レントゲン、腹部超音波(エコー)検査などを行う場合もあります。なお初期の段階で症状を自覚することはほとんどありませんので、症状がない場合でも(特にピロリ菌感染を言われたことがある方は)、定期的な検査が必要となります。

またピロリ菌の除菌が成功することにより、胃がんのリスクは約1/3程度に減少するとの報告があります。ただし元々ピロリ菌に感染していなかった方と同レベルになることは期待されず、除菌成功後も経過観察が必要です。最近では「除菌後発見胃がん」といってピロリ菌の除菌成功後に発見される胃がん(除菌後10年以上経過して発見された報告もあります)、1年に1回の胃カメラ検査が胃がんの早期発見、早期治療に繋がると考えております。

胃がんの治療

胃がんの治療は内視鏡治療、手術療法、化学療法(抗がん剤治療)の大きく3つに分けられます。

治療の選択は進行度によって異なりますが基本的には他の臓器に転移がない場合は内視鏡治療もしくは手術療法が選択され、他の臓器に転移をきたしている場合には化学療法が選択されます。

内視鏡治療はESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と呼ばれるもので、主にリンパ節転移がなく、がんが粘膜内にとどまっている早期胃癌に対して行われています。

胃の部分切除〜全摘出を要する手術療法と異なり、胃を切除する必要がなく侵襲が低く負担の少ない治療が可能となっております。

ただし転移のリスクの低い早期の状態で発見する必要があり、当院でも早期発見に努めた内視鏡検査を行っています。

 

当院では「経鼻上部消化管内視鏡検査(鼻から入れる胃カメラ)」を採用しており、苦痛の少ない内視鏡検査を心掛けておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

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