大腸カメラ、何歳から受けたらいい?

わだ内科・胃と腸クリニック院長の和田蔵人(わだ くらと)です。

私ごとですが、先日大腸カメラを受けてきました。

元々便秘気味でしたので、新クリニックに移転する前にと思い検査を受けましたが幸いにも大きな異常はありませんでした。

便秘についてはホームページに説明を載せています。

また日々の診療を行う中で、タイトルの様な質問を患者さまから受けることがよくあります。皆さま方の中にも上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)は受けたことがあるけれど、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)は受けたことがない、受けたいけど何となく怖いという方も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は①大腸カメラを受けた方がよい年齢と②大腸カメラの実際についてお伝えさせていただければと思います。

まず大腸カメラを受けた方がよい年齢ですが実は確立された見解はありません。

ただし厚生労働省が推進しており、大分市で行っている大腸がん検診の対象者は検診受診時点で40歳以上の方となっています。この大腸がん検診は、便潜血検査といって便の中に血液の反応があるかどうかを調べる検査のことで、陽性(出血があった)の場合には大腸カメラが勧められます。

※出血があるからといって必ずしもがんがあるという訳ではありません。

また国立がん研究センターの2019年の全国がん登録罹患データによると大腸がんは40歳ごろから右肩上がりに増えていくことが分かっています。もちろんAYA世代と呼ばれる年齢層の方(大腸がんは30-39歳でがんを発症された方の部位別の5番目に多いがんです)にも発症することがありますが、まずは40歳という年齢が一つの指標になるのではないかと思います。

なお日本消化器内視鏡学会が発行しているガイドラインによると、前述の①便潜血陽性に加え、②血便、③便通異常、④貧血、⑤腹痛、⑥体重減少・腹部腫瘤などで大腸がんを疑う患者、あるいは大腸がん以外の大腸の病気が疑われる、ご家族に大腸がんの方がおり遺伝性大腸がんの可能性が疑われる場合などには大腸カメラの検討が望まれると記載されています。

つまり40歳未満の方でも上記の様な症状が有る方は大腸カメラを受けることをお勧めします。

続いて大腸カメラの実際についてです。

※医療機関別で詳細は異なると思いますのであくまで一例です。

  • 検査前日は21時までに夕食(消化の良い食事)を済ませていただき、排便を促す下剤を内服します。
  • その後は検査が終了するまで絶食となりますが、検査当日に自宅もしくは医療機関で約2Lの下剤を飲みます。
  • 便がきれいになったのを確認して検査を開始しますが、肛門から少しずつ大腸カメラ(内視鏡)を入れていき、盲腸(大腸の一番奥)まで到達させます。検査時間は基本的に15-30分程度ですが、腸の形や長さ、手術後の癒着などにより時間を要する場合やポリープ切除などを行なった際には時間を要する場合もあります。

ただし鎮静剤や鎮痛剤を使用した場合には個人差はありますが苦痛が少なく、また私もそうでしたが気が付いたら検査が終わってベッドで休んでいたという状況でした。

なかなか大腸カメラを受ける決心は付きにくいとは思いますが、便潜血検査で陽性であった場合には必ず、また便秘を含め上に記載した症状のある方も大腸カメラをお勧めさせていただきます。

当院では鎮静剤の他、鎮痛剤も使用させていただきますので、苦痛の少ない下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが出来ますのでお気軽にご相談下さい。

またコロナ渦の開業であり、感染対策にも留意しており、プライバシーにも配慮した下剤を飲む専用の個室を3部屋準備しておりますので、ご安心ください。