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B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスを原因とする肝臓の病気で、日本では100-130万人がB型肝炎ウイルスに持続感染していると推定されます。

血液や体液を介して感染することが知られており、感染経路はおもに垂直感染(=母子感染:妊娠中や授乳中のお母さんから赤ちゃんへの感染)とそれ以外の水平感染に分類されますが、母子感染防止策が取られており現在新規の母子感染はほとんどありません。

また水平感染の原因は、性交渉、ピアスの穴あけ、刺青などでの不適切な器具の消毒、麻薬での注射器の共用がありますが、近年では性行為での感染が最多です。

B型肝炎の検査、治療対象は?

B型肝炎の検査として、まずHBs抗原検査を行います。

ただしHBs抗原検査が陽性であっても、すぐに治療が必要となる訳ではありません。①腹部超音波(エコー)検査やCT検査で組織学的進展度(慢性肝炎か肝硬変かを判定します)、血液検査で②ALT値、③HBV-DNAを測定します。慢性肝炎であった場合にはALT 31U/L以上かつHBV-DNA 3.3 LogIU/mL(2000IU/mL)以上が治療対象となりますが、肝硬変の場合にはHBV-DNAが陽性であればすべて治療対象となります。

このHBs抗原検査ですが、現在大分県にお住まいの方は、C型肝炎の検査と併せて無料(自己負担なし)で行うことが出来、当院も登録医療機関となっております。

以下に当てはまる方は、どうぞお気軽にお声かけください。

  • 自分が肝炎ウイルスに感染しているかどうか知らない方
  • 過去に健康診断等で肝機能検査(AST、ALTなど)の異常を指摘されたことがある
  • 家族にB型、C型肝炎ウイルスに感染している方がいる
  • 新たに性的な関係を持つパートナーができた
  • ピアスや入れ墨をしている
  • 他人のカミソリや歯ブラシを使用した
  • 1988年以前の集団予防接種等の際に注射器の使い回しをされたことがある
  • 1992年以前に輸血を受けたことがある
  • 大きな手術を受けたことがある
  • 長期に血液透析を受けている など
B型肝炎の治療薬は?

B型肝炎の治療薬としては①インターフェロン、②核酸アナログ製剤があります。

①インターフェロンは、注射薬でB型肝炎を根治することができるものとして期待されており、慢性肝炎に対する初回治療では原則として第一に検討されます。若い患者さんや挙児希望(妊娠を希望)されている患者さんで特に検討されます。長所としては治療期間(24-48週間)が終了しても効果が持続することですが、治療に反応するのは20-30%程度で副作用の頻度が高いことが短所としてあります。また肝硬変に対する保険適応はなく、使用することはできません。

②核酸アナログ製剤は、飲み薬で短期的には副作用がほとんどなく、肝硬変に対しても使用可能な薬剤です。インターフェロンとは異なり、肝硬変に対しても使用することができます。ただし原則として、長期継続内服が必要で内服中止による再燃率が高く、薬剤耐性が出現する場合もあります。

現在、日本で発売されている核酸アナログ製剤は以下の通りですが、新規に投与開始する場合には薬剤耐性のリスクが少ないバラクルード、テノゼット、ベムリディが使用される場合が多いです。

・ラミブジン(LAM) 商品名:ゼフィックス

・アデホビル(ADV) 商品名:ヘプセラ

・エンテカビル(ETV) 商品名:バラクルード

・テノホビル・ジソプロキシフマル酸塩(TDF) 商品名:テノゼット

・テノホビル・アラフェナミド(TAF) 商品名:ベムリディ

医療費助成制度

B型肝炎の核酸アナログ製剤治療およびインターフェロン治療を受けられる患者さんは医療費助成を受けることができます。所定の書類を保健所などに提出することで、所得に応じて自己負担限度額が定められています。

医療費助成制度について詳しく見る

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