足のつり、こむら返りには芍薬甘草湯

大分県大分市のわだ内科・胃と腸クリニック院長の和田蔵人(わだ くらと)です。
夜中に突然の激痛で目が覚める「こむら返り」。あの耐えがたい痛みは、経験した人にしか分からないつらさですよね。実は、この悩みは決して珍しいものではなく、ある報告では60歳以上の約3人に1人、妊娠中の女性の約30~40%がこむら返りを経験するとされています。

そんな急な痛みの救世主として知られるのが、漢方薬の「芍薬甘草湯」です。漢方というと体質改善のイメージが強いかもしれませんが、この薬は飲んでからわずか5~10分で効果が現れるという即効性が特徴です。この記事では、芍薬甘草湯がなぜ効くのか、その仕組みから、安全に使うための注意点、そして「またつるかも」という不安を解消するセルフケアまでを詳しく解説します。

こむら返りになぜ効く?芍薬甘草湯の2つの作用と効果

夜中に突然、ふくらはぎが「ピキーン!」とつって、激しい痛みに飛び起きた経験はありませんか。 運動中や就寝中など、予期せぬタイミングで起こる「こむら返り」は本当につらいものです。

そんな急な筋肉のけいれんによる痛みに対して、漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が使われることがあります。 ここでは、芍薬甘草湯がなぜこむら返りに効果を示すのか、その仕組みや特徴を解説します。

筋肉の異常な興奮を鎮める「芍薬」と「甘草」の働き

芍薬甘草湯は、その名前のとおり「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」という、たった2種類の植物由来の薬(生薬)から作られています。 このシンプルな2つの生薬が協力し合うことで、こむら返りの原因となる筋肉の「異常な興奮」を素早く鎮めてくれます。

私たちの筋肉は、細胞の中にある「カルシウムイオン」や「カリウムイオン」といったミネラルのバランスによって、伸びたり縮んだりしています。 こむら返りは、このイオンバランスが乱れ、筋肉が「縮め!」という命令を受け続けている状態です。 芍薬甘草湯は、この乱れたバランスを整える働きを持っています。

生薬名主な成分働き
芍薬ペオニフロリン・筋肉を縮ませる信号(カルシウムイオン)の過剰な働きを抑える
・筋肉をゆるめる
・血行を良くして痛みを和らげる
甘草グリチルリチン酸・筋肉の興奮を鎮める(カリウムイオンの調整)
・痛みの原因物質(プロスタグランジン)ができるのを抑える
・炎症を鎮める

芍薬に含まれる「ペオニフロリン」は、筋肉細胞へのカルシウムイオンの過剰な流入をブロックし、筋肉の異常な収縮をゆるめます。 一方、甘草に含まれる「グリチルリチン酸」などは、神経の興奮を抑えるとともに、痛みの元となる物質が作られるのを防ぐ作用があります。

この2つの生薬が力を合わせることで、けいれんしている筋肉をゆるめ、つらい痛みを和らげることができるのです。

飲んでから約5~10分で実感できる即効性

漢方薬と聞くと、「じっくり時間をかけて体質を改善するもの」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。 しかし、芍薬甘草湯は漢方薬の中でも例外的に、飲んでから比較的早く効果を実感しやすいという大きな特徴があります。

個人差はありますが、服用してから平均で約6分、多くの場合で5~10分以内には効果が現れ始めるとされています。 そのため、症状が出たときだけ飲む「頓服(とんぷく)」として、以下のような場面でよく使われます。

  • こむら返りが起きてしまった時に  夜中に足がつった時など、急な痛みをすぐに和らげたい場合に服用します。
  • こむら返りが起こりそうな時に  マラソンなどスポーツの前や、夜中につりやすい方が寝る前に予防として服用することもあります。

効果の持続時間は4~6時間程度と考えられています。 この即効性があるため、「お守り代わり」として手元に置いている方も多い薬です。急な痛みにすぐ対応できるのは、大きな安心につながります。

こむら返りが起こる主な原因(水分・ミネラル不足・血行不良)

そもそも、なぜ「こむら返り」は起こるのでしょうか。 原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。

  • 水分・ミネラル不足  汗をかくと水分だけでなく、筋肉の動きを調整するミネラル(電解質)も失われます。特にカルシウム、マグネシウム、カリウムなどが不足すると、筋肉が異常な興奮を起こしやすくなります。
  • 筋肉の疲労  激しい運動や長時間の立ち仕事で筋肉が疲れると、筋肉の伸び縮みをコントロールする機能がうまく働かなくなり、けいれんにつながります。
  • 冷えによる血行不良  体が冷えると血管が縮こまり、筋肉への血流が悪くなります。すると、筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、疲労物質もたまりやすくなるため、こむら返りが起こりやすくなります。
  • 加齢や妊娠、病気など  年齢と共に筋肉量が減ったり、血行が悪くなったりすることも原因の一つです。ある報告では、60歳以上の約33%、妊娠中の女性の約30~40%がこむら返りを経験するとされています。また、糖尿病や腎臓病、肝臓の病気などが原因で起こることもあり、注意が必要です。

これらの要因が重なることで、こむら返りはさらに起こりやすくなります。

市販薬と病院で処方される芍薬甘草湯の違い

芍薬甘草湯は、ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販薬と、クリニックで医師が処方する医療用医薬品があります。 含まれている有効成分や基本的な作用に大きな違いはありませんが、いくつかの点で異なります。

項目市販薬病院で処方される薬
入手方法ドラッグストアなどで誰でも購入可能医師の診察・処方せんが必要
特徴・急な症状の時にすぐに手に入る
・使用は自己判断となる
・医師が症状や体質を診て処方
・副作用や薬の飲み合わせを確認できる
・こむら返りの裏に隠れた病気の相談ができる
費用全額自己負担(保険適用外)健康保険が適用される

市販薬は手軽に試せるメリットがありますが、自己判断での使用には注意が必要です。 特に、こむら返りを頻繁に繰り返す場合や、高血圧、心臓病、腎臓病などの持病がある方、他に薬を飲んでいる方は、服用前に必ず医師に相談してください。

クリニックでは、芍薬甘草湯を安全に服用できるかを確認するだけでなく、なぜこむら返りが起こるのか、その背景に何か病気が隠れていないかを診断します。 つらい症状を繰り返す場合は、安易に自己判断せず、一度専門家にご相談いただくことをお勧めします。

服用前に確認すべき芍薬甘草湯の注意点5選

芍薬甘草湯は、つらいこむら返りの症状を素早く和らげてくれる、とても頼りになるお薬です。 しかし、どんなお薬にも良い面だけでなく、注意すべき点があります。

特に漢方薬は「自然のものだから安心」というイメージがあるかもしれません。 ですが、体質や持病、他のお薬との組み合わせによっては、体に負担をかけてしまうこともあります。

安心して服用していただくために、事前に知っておくべき大切なポイントを5つにまとめました。 ご自身の体を守るための大切な知識ですので、ぜひご確認ください。

重大な副作用「偽アルドステロン症」の初期症状(むくみ・血圧上昇など)

芍薬甘草湯の副作用の中で、最も注意が必要なのが「偽アルドステロン症(ぎあるどすてろんしょう)」です。 これは、成分の一つである「甘草(かんぞう)」を長期間飲んだり、一度にたくさん飲んだりすることで起こりやすくなります。

私たちの体には、「アルドステロン」という、体内の塩分と水分の量を調節するホルモンがあります。 甘草に含まれる成分が、このホルモンと似た働きをしてしまうため、「偽(にせ)の」アルドステロン症と呼ばれます。

この状態になると、体の中に余分な塩分と水分が溜め込まれてしまい、様々な不調を引き起こします。 大切なのは、そのサインとなる初期症状に早く気づき、対応することです。

【偽アルドステロン症の初期症状チェックリスト】

  • むくみ  顔や手足がパンパンになる、朝起きた時にまぶたが重い、指輪がきつくなる、靴下の跡がくっきり残って消えにくいなど。
  • 体重の増加  食事の量は変わらないのに、1週間で1〜2kgなど、急に体重が増える。
  • 血圧の上昇  血圧を測ったら、普段よりも数値が高くなっている。
  • 力の入りにくさ(脱力感)  体に力が入らない、疲れやすい、立ち上がるのが億劫に感じるなど。これは、体内のカリウムというミネラルが減ってしまうこと(低カリウム血症)が原因で起こります。
  • 筋肉の症状  手足がしびれる、筋肉がピクピクとけいれんする、筋肉痛のような痛みがある。

これらの症状は、お薬の服用をやめれば改善することがほとんどです。 もし、芍薬甘草湯を飲み始めてから上記のような変化に気づいた場合は、すぐに服用を中止し、処方を受けた医師や薬剤師にご相談ください。

服用を避けるべき方(高血圧症・心臓や腎臓に持病のある方)

芍薬甘草湯は、体質や持病によっては症状を悪化させる危険があるため、服用を避けるべき方がいます。 特に、偽アルドステロン症の副作用が、持病に直接的な悪影響を与えてしまう可能性があるためです。

【服用前に必ず医師への相談が必要な方】

  • 高血圧症の方  偽アルドステロン症の作用で体内に水分がたまり、血液の量が増えるため、血圧がさらに上昇する可能性があります。
  • 心臓に持病のある方(心不全など)  血液量の増加は心臓のポンプ機能に負担をかけます。また、低カリウム血症は不整脈を引き起こすリスクを高めます。
  • 腎臓に持病のある方(腎不全など)  腎臓は余分な水分やカリウムを排出する臓器です。機能が低下していると副作用が出やすくなり、持病を悪化させる恐れがあります。
  • 現在むくみの症状がある方  原因が何であれ、症状をさらに悪化させる可能性があります。
  • ご高齢の方  体の機能が全体的に低下していることが多く、副作用が出やすいため、慎重な判断が必要です。

これらの持病をお持ちの方は、自己判断で市販薬を服用することは絶対に避けてください。 こむら返りの治療には他の選択肢もありますので、まずはかかりつけの医師に相談し、ご自身の体に合った安全な治療法を選んでもらいましょう。

飲み合わせに注意が必要な薬(利尿薬・グリチルリチン酸を含む薬など)

普段から飲んでいるお薬がある方は、芍薬甘草湯との飲み合わせにも注意が必要です。 お薬によっては、一緒に飲むことで互いの作用を強めてしまったり、副作用のリスクを高めたりすることがあります。

特に、芍薬甘草湯の成分「甘草(主成分:グリチルリチン酸)」と関連するお薬には注意しなくてはなりません。

特に注意が必要な薬の種類なぜ注意が必要か具体的な薬の例
利尿薬(ループ利尿薬など)体内のカリウムを尿として排出する作用を強め、低カリウム血症や偽アルドステロン症のリスクを高めます。フロセミド、トラセミドなど
グリチルリチン酸を含む薬甘草の成分を重複して過剰に摂取することになり、偽アルドステロン症のリスクが非常に高くなります。他の漢方薬(甘草湯など)、一部の風邪薬、胃薬、肝臓の病気の治療薬(グリチロン配合錠)など

このほかにも注意が必要な組み合わせがあります。 市販の風邪薬やサプリメントを飲んでいる場合も、知らず知らずのうちに甘草を摂取している可能性があります。

複数の医療機関にかかっていると、私たち医師も患者さんが飲んでいる全てのお薬を把握しきれないことがあります。 受診の際には、必ず「お薬手帳」を持参し、服用中の薬をすべて正確に伝えてください。安全にお薬を使うための、とても大切な習慣です。

妊娠中・授乳中の方や高齢者が服用する場合の注意点

妊娠中や授乳中の方、ご高齢の方は、体がデリケートな状態であったり、副作用が出やすかったりするため、芍薬甘草湯を服用する際に特に注意が必要です。

【妊娠中・授乳中の方】 妊娠中は足がつりやすく、非常につらいものですが、芍薬甘草湯の服用は慎重に判断されます。「治療によって得られるメリットが、考えられるリスクを上回る」と医師が判断した場合にのみ処方されます。

自己判断での服用は絶対に避け、まずはかかりつけの産婦人科医に相談してください。 授乳中の方も同様です。お薬の成分が母乳に移行する可能性は低いとされていますが、医師への相談が基本となります。

【ご高齢の方】 ご高齢の方は、年齢とともに腎臓や心臓の機能が少しずつ低下していることが多く、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすい傾向にあります。

また、高血圧や心臓病などの持病をお持ちの方や、他に多くのお薬を飲んでいる方も少なくありません。 安全に服用するためにも、かかりつけ医とよく相談し、少量から始めるなど慎重な対応が求められます。

長期連用は避けるべき?服用期間の目安とタイミング

芍薬甘草湯の大きな特徴は、その即効性です。 このお薬は、毎日飲み続けて体質を改善するタイプのものではなく、つらい症状が起きた時にその場で抑える「頓服薬(とんぷくやく)」として使うのが基本です。

【正しい服用のタイミング】

  • 症状が起きたとき  夜中に足がつってしまった時など、すぐに服用します。
  • 症状が起きそうなとき  夜中につりやすい方は「就寝前」に、運動中につりやすい方は「運動前」に予防的に服用します。

大切なのは、症状がないときには飲まないことです。 予防のためだからと毎日飲み続けると、副作用である「偽アルドステロン症」のリスクが高まってしまいます。 あくまで「つらい時のお守り」として、必要な時だけ服用するようにしましょう。

もし、芍薬甘草湯を週に何度も服用する必要がある場合や、1ヶ月以上服用が続いている場合は、注意が必要です。 単なるこむら返りではなく、背景に何か他の病気が隠れている可能性も考えられます。 自己判断で服用を続けず、一度当院のような医療機関を受診してください。

こむら返りを繰り返さないための3つのセルフケアと受診の目安

夜中に突然襲ってくる激しい痛みで目が覚めるこむら返り、本当につらいですよね。 芍薬甘草湯は、起きてしまった痛みを和らげるのに役立つ、いわば「火消し役」です。

しかし、何度も火事が起こる家は、火事が起こりやすい原因がどこかにあるはずです。 同じように、こむら返りを繰り返す場合、薬で痛みを抑えるだけでなく、根本的な原因を見直すことがとても大切になります。

ここでは、薬だけに頼らず「こむら返りが起こりにくい体」を作るためのセルフケアと、「これは危険なサインかも」と医療機関の受診を考えるべき目安について、詳しくお話しします。 「また足がつるかもしれない」という不安から解放され、安心して毎日を過ごせるように、一緒に取り組んでいきましょう。

予防に効果的なストレッチとマッサージ方法

筋肉が硬くなっていたり、血行が悪くなっていたりすると、こむら返りは起こりやすくなります。 日々の簡単なケアで筋肉の柔軟性を保ち、血の巡りを良くすることが、効果的な予防につながります。 特に、一日中座っていた日や、スポーツで足をたくさん使った日の夜には、寝る前のケアを習慣にしましょう。

【寝る前におすすめ!ふくらはぎのストレッチ】 お風呂上がりの体が温まっている時に行うと、筋肉が伸びやすく効果的です。

  1. 壁を使ったアキレス腱伸ばし
    • 壁の前に立ち、両手を肩の高さで壁につきます。
    • 片足を一歩大きく後ろに引き、かかとを床にしっかりとつけます。
    • 前の足のひざをゆっくりと曲げ、後ろ足のふくらはぎからアキレス腱が「気持ちよく伸びている」のを感じましょう。
    • 呼吸は止めずに、自然な呼吸で20〜30秒間キープします。
    • これを左右の足で、それぞれ2〜3回ずつ繰り返します。
  2. 座ったままできるタオルストレッチ
    • 床に座って、片足をまっすぐ前に伸ばします。
    • タオルの両端を持ち、伸ばした足の裏(土踏まずあたり)にひっかけます。
    • タオルをゆっくりと自分の体の方へ引き寄せ、つま先が上を向くようにします。
    • ひざの裏からふくらはぎが、じんわりと伸びるのを感じながら20秒ほどキープしましょう。

【血行を促すやさしいマッサージ】 強い力で揉む必要はありません。血液を心臓に戻すイメージで、やさしくさするのがポイントです。

  • 両手で足首を包み込むように持ちます。
  • ひざの裏にあるリンパ節に向かって、ふくらはぎ全体をゆっくりと、下から上へなで上げます。
  • 痛みを感じるほど強く押すのは逆効果です。「気持ちいいな」と感じる程度の力加減で行ってください。

食事で積極的に摂りたい栄養素(マグネシウム・カリウム)

私たちの筋肉がスムーズに伸び縮みするためには、たくさんの栄養素が必要です。 特に、筋肉の動きをコントロールする「ミネラル」と、体を潤す「水分」のバランスは非常に重要です。

汗をたくさんかいた後や、食事のバランスが偏っていると、ミネラルが不足しがちになります。 中でも、以下の2つのミネラルは意識して食事に取り入れましょう。

栄養素筋肉における主な働き多く含まれる食品の例
マグネシウム筋肉が縮んだ後に、ゆるむ(弛緩する)のを助ける働きがあります。マグネシウムが不足すると、筋肉が過剰に興奮しやすくなります。・海藻類(あおさ、わかめ、ひじき)
・豆類(豆腐、納豆、きなこ)
・種実類(アーモンド、ごま、カシューナッツ)
・魚介類(しらす干し、あさり)
カリウム脳からの「動け!」という指令を、神経を通して筋肉にスムーズに伝える役割を担っています。ナトリウムとのバランスを保つ上でも重要です。・野菜類(ほうれん草、小松菜、アボカド)
・果物類(バナナ、キウイフルーツ、メロン)
・いも類(さつまいも、じゃがいも)
・ドライフルーツ(干し柿、干しぶどう)

これらの食材を毎日の食事にバランス良く取り入れることが、こむら返りの予防につながります。 また、就寝中は気づかないうちに汗をかいて水分が失われます。寝る前や朝起きた時に、コップ一杯の水を飲む習慣をつけることも効果的です。

こんな症状は要注意!病院を受診すべきこむら返りのサイン

ほとんどのこむら返りは、生活習慣の見直しで改善が期待できます。 しかし、中には単なる筋肉のけいれんではなく、他の病気が隠れているサインである可能性もあります。

セルフケアを続けても改善しない場合や、以下のような症状が見られる場合は、自己判断で様子を見ずに、一度医療機関を受診してください。 私たち医師は、背景にある病気を見逃さないように、慎重に診察を行います。

【こむら返りの裏に隠れた病気のサイン・チェックリスト】

  • 頻度や状況に関するサイン
    • 芍薬甘草湯を頓服で5〜6回飲んでも、症状が全く良くならない。
    • こむら返りが毎日のように起こり、生活に支障が出ている。
    • ふくらはぎだけでなく、手や背中など、他の場所も頻繁につる。
  • 足の他の症状を伴うサイン
    • 足のつりと一緒に、強いむくみ、しびれ、感覚が鈍い感じがある。
    • 左右の足で太さが違う、片方の足だけ皮膚が赤黒い、冷たく感じる。
    • 少し歩くと足が重く痛くなり、少し休むとまた歩けるようになる。(閉塞性動脈硬化症の可能性)
  • 全身の症状を伴うサイン
    • 腰痛や、お尻から太ももの裏にかけてのしびれも同時に起きる。(腰部脊柱管狭窄症など、神経の問題の可能性)
    • 体がだるい、のどが異常に渇く、体重が減ってきた。(糖尿病の可能性)
    • 芍薬甘草湯を飲んだ後に、顔や手足がむくむ、血圧が上がる、体に力が入らない。(副作用の可能性)

これらのサインは、体からの重要なメッセージです。 「たかが、こむら返り」と軽視せず、不安な点があれば早めに専門家にご相談ください。

大分市でこむら返りのご相談は「わだ内科・胃と腸クリニック」へ

こむら返りの症状が続いて不安な方、セルフケアを試してもなかなか良くならない方は、ぜひ一度「わだ内科・胃と腸クリニック」へご相談ください。 当クリニックでは、患者さん一人ひとりのお話を丁寧にお伺いし、なぜこむら返りが繰り返されるのか、その根本原因を一緒に探っていきます。

診察の結果、芍薬甘草湯のようなお薬が必要な場合には適切に処方します。 それと同時に、背景に内臓の病気が隠れていないかを確認するための検査も行うことが可能です。

つらいこむら返りの症状を根本から改善し、安心して毎日を送れるよう、私たちが専門家として全力でサポートいたします。 どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、つらいこむら返りの原因と、その痛みを和らげる漢方薬「芍薬甘草湯」について詳しく解説しました。

芍薬甘草湯は、急な足のつりに素早く効く頼もしいお薬ですが、副作用のリスクもあるため、あくまで症状がつらい時の「お守り」として使うことが大切です。

こむら返りを繰り返さないためには、薬だけに頼るのではなく、日々のストレッチや食事の見直しといったセルフケアが欠かせません。もしセルフケアを試しても症状が続く場合や、頻繁に起こる場合は、背景に別の病気が隠れている可能性もあります。

「たかがこむら返り」と軽視せず、つらい症状が続くときには、ぜひ一度専門家にご相談くださいね。