脂質異常症

健康診断で「脂質異常症」を指摘されたら、放置してしまっていませんか? 自覚症状がほとんどない脂質異常症ですが、実は心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気の危険因子である動脈硬化を進行させる可能性があります。日本では、実に40歳以上の男性の3人に1人、女性の5人に1人が脂質異常症だといわれています。

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪といった脂質の値が基準値から外れている状態のこと。 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い、中性脂肪が高いなど、いくつかの種類があり、これらが組み合わさって発症することもあります。原因は遺伝や食生活、運動不足、喫煙など様々です。

脂質異常症を理解する:定義、種類、原因

健康診断で「脂質異常症」と指摘され、ドキッとした経験はありませんか? 自覚症状がほとんどないため、「まあいいか」と放置してしまいがちです。しかし、脂質異常症は、将来、心筋梗塞や脳梗塞といった生命に関わる病気を引き起こす危険因子である動脈硬化を進展させる可能性があります。

脂質異常症の定義、種類、原因を分かりやすく解説します。ご自身の生活習慣を見つめ直し、健康管理の第一歩を踏み出すきっかけとしていただければ幸いです。

脂質異常症とは?

脂質異常症とは、血液中の脂質、特にコレステロールと中性脂肪の値が基準値から外れている状態を指します。

脂質は、細胞膜やホルモンの材料になるなど、私たちの体にとって必要な栄養素です。しかし、血液中に脂質が過剰に存在すると、血管壁に蓄積し、血管を硬く狭くする動脈硬化を進展させるリスクを高めます。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こす可能性があるため、脂質異常症を適切に管理することが非常に重要です。

脂質異常症の種類(高コレステロール血症、高トリグリセリド血症など)

脂質異常症は、どの脂質の値が異常なのかによって、いくつかの種類に分けられます。

  1. 高LDLコレステロール血症: LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、血管壁にコレステロールを運び、動脈硬化を促進します。高LDLコレステロール血症は、LDLコレステロール値が140mg/dL以上の状態です。120~139mg/dLの場合は「境界域高LDLコレステロール血症」と呼ばれ、経過観察が必要です。
  2. 低HDLコレステロール血症: HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁から余分なコレステロールを回収し、肝臓に運ぶ役割を担います。低HDLコレステロール血症は、HDLコレステロール値が40mg/dL未満の状態です。HDLコレステロールは高い方が動脈硬化の予防に繋がるため、40mg/dL未満の場合は注意が必要です。
  3. 高トリグリセリド血症: 中性脂肪は、エネルギー源として体に蓄えられる脂質です。高トリグリセリド血症は、中性脂肪値が150mg/dL以上の状態です。

これらの脂質異常症は、単独で起こることもあれば、複数組み合わさって起こることもあります。例えば、高LDLコレステロール血症と高トリグリセリド血症が合併している場合もあります。

脂質異常症の主な原因5選(遺伝、食生活、運動不足など)

脂質異常症の主な原因は、遺伝的要因と生活習慣、そして基礎疾患です。

  1. 遺伝: 両親から受け継いだ遺伝子が原因で、コレステロール値が高くなる場合があります。これを家族性高コレステロール血症といいます。遺伝子の変異により、LDLコレステロールを処理する機能が低下するため、血液中のLDLコレステロール値が高くなります。PCSK9というタンパク質は、LDLコレステロールの代謝に関与しており、PCSK9の機能を阻害する薬剤は、LDLコレステロール値を低下させる効果があります。
  2. 食生活: 脂肪分の多い食事やコレステロールを多く含む食品の過剰摂取は、脂質異常症のリスクを高めます。飽和脂肪酸やコレステロールは、LDLコレステロール値を上昇させる作用があります。例えば、肉類の脂身、バター、卵黄などに多く含まれています。
  3. 運動不足: 運動不足は、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減らし、中性脂肪を増やす原因となります。運動は、HDLコレステロール値を上昇させ、中性脂肪値を低下させる効果があります。
  4. 喫煙: タバコに含まれるニコチンは、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させる作用があります。喫煙は、動脈硬化のリスクを高めるため、脂質異常症の管理においても禁煙が重要です。
  5. 基礎疾患: 糖尿病、高血圧、甲状腺機能低下症などの病気は、脂質代謝異常を引き起こし、脂質異常症のリスクを高めます。これらの基礎疾患がある場合は、脂質異常症の管理にも注意が必要です。

脂質異常症の危険因子(年齢、性別、喫煙など)

脂質異常症のリスクを高める危険因子には、以下のようなものがあります。

  • 加齢: 年齢を重ねるにつれて、脂質異常症のリスクは高くなります。これは、加齢に伴い、脂質代謝が変化するためです。
  • 性別: 一般的に、男性は女性よりも脂質異常症になりやすい傾向があります。ただし閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、脂質代謝が変化し、脂質異常症のリスクが高まります。
  • 喫煙: 喫煙は善玉コレステロールを減少させ、悪玉コレステロールを増加させるため、脂質異常症のリスクを高めます。
  • 飲酒: 過剰な飲酒は、中性脂肪値を上昇させる原因となります。適度な飲酒は問題ありませんが、過剰な飲酒は避けましょう。
  • 肥満: 肥満は、脂質異常症のリスクを高める大きな要因です。内臓脂肪の蓄積は、脂質代謝異常を引き起こします。
  • 高血圧: 高血圧は、動脈硬化を促進するため、脂質異常症との関連も深いです。
  • 糖尿病: 糖尿病は、脂質代謝異常を引き起こし、脂質異常症のリスクを高めます。
  • 家族歴: 家族に脂質異常症の人がいる場合は、遺伝的に脂質異常症になりやすい可能性があります。

これらの危険因子を複数持っている人は、特に脂質異常症に注意する必要があります。ご自身の危険因子を把握し、生活習慣の改善に努めましょう。バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

脂質異常症の症状と診断・治療方法

脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、知らないうちに進行している場合が多く、健康診断で初めて指摘されることも少なくありません。しかし、放置すると動脈硬化のリスクを高め、心筋梗塞や脳梗塞といった生命に関わる病気を引き起こす可能性があります。ご自身の健康を守るためにも、脂質異常症について正しく理解し、適切な検査と治療を受けることが大切です。

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脂質異常症の自覚症状(めまい、動悸、息切れなど)

脂質異常症自体は、コレステロールや中性脂肪の値が異常なだけで、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。多くの場合、健康診断の血液検査で指摘されるまで気づかないケースがほとんどです。

しかし、脂質異常症が進行し動脈硬化が進むと、様々な症状が現れることがあります。例えば、心臓の血管が狭くなると、運動時に胸の痛みや圧迫感(狭心症)を感じるようになります。さらに血管が完全に詰まってしまうと、激しい胸の痛みとともに、呼吸困難や意識消失などを伴う心筋梗塞を引き起こす可能性があります。

また、脳の血管が狭くなったり詰まったりすると、めまいやふらつき、ろれつが回らない、手足のしびれなどの症状が現れ、脳梗塞につながる危険性があります。脳梗塞は、後遺症が残る可能性もある深刻な病気です。

これらの症状は、脂質異常症が原因で起こる合併症によるもので、脂質異常症そのものの症状とは異なります。脂質異常症は自覚症状がないからといって放置せず、定期的な検査を受けることが非常に重要です。

脂質異常症の検査方法(血液検査など)

脂質異常症の検査は、血液検査で行います。空腹時の血液を採取し、以下の項目を測定します。

  • 総コレステロール: 血液中のコレステロールの総量です。
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール): 動脈硬化を促進させるコレステロールです。
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール): 動脈硬化を抑制するコレステロールです。
  • 中性脂肪: エネルギー源として使われる脂肪です。過剰になると動脈硬化のリスクを高めます。

検査は、食後だと中性脂肪の値が変動してしまうため、正確な診断ができません。食事は検査の10時間前までに済ませ、水以外の飲み物は控えましょう。正確な検査結果を得るための大切な準備です。

脂質異常症の診断基準(基準値など)

脂質異常症の診断基準値は、以下の通りです。(2012年 動脈硬化ガイドライン改変版)

  • LDLコレステロール:140mg/dL以上
  • HDLコレステロール:40mg/dL未満
  • 中性脂肪:150mg/dL以上

これらの基準値は、あくまで目安です。高血圧や糖尿病、喫煙などの他の危険因子がある場合は、基準値以下でも脂質異常症と診断されることがあります。医師は、患者さんの年齢、性別、生活習慣、他の病気の有無などを総合的に判断して診断します。

脂質異常症の治療方法4選(食事療法、運動療法、薬物療法など)

脂質異常症の治療は、患者さんの状態に合わせて、下記の4つの方法を組み合わせて行います。

  1. 食事療法: コレステロールや飽和脂肪酸の多い食品を控え、野菜、果物、魚介類などを積極的に摂るバランスの良い食事を心がけます。カロリー制限を伴わない時間制限食(16/8時間制限食)も、体組成の調節や脂質代謝の促進に有効である可能性が示唆されています。
  2. 運動療法: ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やし、中性脂肪を減らす効果があります。週に数回、30分程度の運動を習慣づけましょう。
  3. 薬物療法: 食事療法や運動療法で効果がない場合、あるいは他の危険因子がある場合などは、薬物療法を行います。コレステロールの合成を抑えるスタチン系薬剤や、LDLコレステロールを低下させるPCSK9阻害剤など、様々な薬剤があります。PCSK9阻害剤は、LDLコレステロールの代謝に関わるPCSK9というタンパク質の働きを阻害することで、LDLコレステロールの低下を促進します。

わだ内科・胃と腸クリニックでの脂質異常症の検査・治療

「わだ内科・胃と腸クリニック」では、脂質異常症の検査・治療を行っています。血液検査で脂質の値を測定し、患者さんの状態に合わせた治療方針を立てます。
また頚部の超音波検査を行うことで動脈硬化やプラークという脂肪の塊の有無を確認することができます。
そして食事療法の指導はもちろん、必要に応じて薬物療法も行います。ご自身の健康状態に不安がある方、健康診断で脂質異常症を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
*食事療法について、詳しくはこちら

脂質異常症の合併症と予防策

健康診断で脂質異常症と診断されても、自覚症状が乏しいため、放置してしまう方も少なくありません。しかし、脂質異常症は、将来、心筋梗塞や脳梗塞といった生命に関わる病気を引き起こす動脈硬化の大きな危険因子です。適切な治療と生活習慣の改善によって、合併症を予防し、健康な毎日を送りましょう。

脂質異常症の主な合併症4選(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など)

脂質異常症が進行すると、血管の壁にコレステロールや中性脂肪などが蓄積し、血管が硬く狭くなる動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は全身の血管に影響を及ぼし、様々な合併症を引き起こす可能性があります。

  1. 動脈硬化: 血管が硬くもろくなり、血液の流れが悪くなります。水道管に例えると、水道管の内側に汚れが付着して、水の通り道が狭くなるイメージです。
  2. 狭心症・心筋梗塞: 心臓を取り巻く冠動脈が動脈硬化で狭くなったり、詰まったりすることで、心臓の筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。狭心症では、運動時などに胸の痛みや圧迫感などの症状が現れ、安静にすると症状が治まります。心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう危険な状態で、激しい胸の痛みや呼吸困難、冷や汗などの症状が現れます。
  3. 脳梗塞・脳出血: 脳の血管が動脈硬化で狭くなったり、詰まったりすることで、脳の細胞に酸素や栄養が供給されなくなり、脳梗塞を引き起こします。半身の麻痺やしびれ、言語障害、意識障害などの症状が現れます。また、動脈硬化によって血管がもろくなり、破れて出血すると脳出血を起こします。
  4. 末梢動脈疾患: 足や手などの血管が動脈硬化によって狭くなり、血液の流れが悪くなります。歩行時に足が痛くなったり、しびれたりするなどの症状が現れます。重症化すると、潰瘍や壊疽を起こすこともあります。

脂質異常症は自覚症状がない場合が多いので、定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めることが重要です。

脂質異常症の予防のための食事療法(コレステロールを下げる食べ物など)

脂質異常症の予防と改善には、食生活の見直しが不可欠です。コレステロールや飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の多い食品を控え、食物繊維や抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に摂り入れるようにしましょう。

  • コレステロールを下げる食材: 大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)には、コレステロールを下げる効果のある大豆タンパク質や大豆イソフラボンが含まれています。きのこ類(しいたけ、まいたけ、しめじなど)には、食物繊維の一種であるβ-グルカンが豊富に含まれており、コレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。海藻類(わかめ、昆布、ひじきなど)にも、水溶性食物繊維が多く含まれ、コレステロールの排泄を促進します。青魚(さば、いわし、さんまなど)に含まれるEPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪を下げる効果があります。
  • コレステロールの高い食品を控える: 卵黄、レバー、いくら、すじこ、バターなどのコレステロールを多く含む食品は、摂りすぎに注意しましょう。肉類の脂身、ベーコン、ソーセージなどは、飽和脂肪酸が多く含まれているため、控えめにしましょう。マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸も、LDLコレステロールを上昇させるため、摂取を控えることが推奨されます。
  • 食物繊維を豊富に摂る: 野菜、果物、海藻、きのこなどに含まれる食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、排泄を促進する効果があります。食物繊維を多く含む食品を積極的に摂るように心がけましょう。
  • 適切な調理法を選ぶ: 揚げ物や炒め物は、油を多く使うため、脂質の摂りすぎにつながります。蒸し料理や煮物など、油を控えた調理法を選びましょう。

いずれにしてもバランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

脂質異常症の予防のための運動療法(おすすめのエクササイズなど)

適度な運動は、脂質異常症の予防・改善に効果的です。HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やし、中性脂肪を減らす効果が期待できます。無理なく続けられる運動を見つけ、習慣にしましょう。

  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果があります。週に3回以上、1回30分程度行うのがおすすめです。ダンススポーツのような運動でも、カロリー制限を伴わない16/8時間制限食と組み合わせることで、体脂肪の減少やHDLコレステロールの増加といった効果が期待できるという研究結果もあります。
  • 筋力トレーニング: 筋肉量を増やすことで、基礎代謝が上がり、脂質の消費を促進することができます。スクワットや腕立て伏せなど、自宅でできる簡単な筋トレも効果的です。
  • 日常生活での活動量を増やす: エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中でこまめに体を動かすことを意識しましょう。

脂質異常症の再発を防ぐための生活習慣

脂質異常症の治療後も、再発を防ぐためには、生活習慣の改善を続けることが重要です。

  • バランスの取れた食事: 特定の栄養素に偏ることなく、さまざまな食品をバランスよく食べましょう。脂質異常症の改善効果が期待されるアントシアニンを豊富に含む食品、例えばブルーベリーや黒米などを積極的に摂取することもおすすめです。
  • 適度な運動: 週に数回、有酸素運動や筋力トレーニングを行いましょう。
  • 禁煙: 喫煙は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やすため、脂質異常症のリスクを高めますので、禁煙することが重要です。
  • 節酒: 過度の飲酒は中性脂肪を増やす原因となるため、適量を守りましょう。厚生労働省が推奨する適度な飲酒量は、純アルコール量で1日あたり20g程度です。
  • ストレスを溜めない: ストレスは脂質異常症を悪化させる要因となるため、趣味やリラックスできる時間を持つなど、ストレスを上手に発散しましょう。
  • 定期的な健康診断: 脂質異常症は自覚症状がないことが多いため、定期的な健康診断で血液検査を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。早期発見は、重症化を防ぐ上で非常に重要です。

脂質異常症に関するよくある質問(FAQ)

  • Q. 脂質異常症は治りますか?A. 脂質異常症は、生活習慣の改善や薬物療法によって、血液中の脂質値をコントロールすることができます。症状が軽度であれば、生活習慣の改善のみで脂質値が正常化することもあります。しかし、一度脂質異常症と診断された場合、再発しやすいという特徴があるため、継続的な治療と生活管理が必要となる場合が多いです。
  • Q. 脂質異常症の治療はどれくらい続きますか?A. 脂質異常症の治療期間は、患者さんの状態や治療への反応、合併症の有無などによって異なります。数ヶ月で治療が終了する場合もあれば、生涯にわたって治療を続ける必要があることもあります。主治医と相談しながら、適切な治療方針を決定しますのでご安心ください。
  • Q. 脂質異常症の薬には副作用がありますか?A. 脂質異常症の薬には、横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感)や肝機能障害などの副作用が起こる可能性があります。副作用の発現頻度や程度には個人差があります。副作用が気になる場合は、自己判断で服薬を中断せず、必ず医師に相談してください。医師は、患者さんの状態に合わせて、副作用の出にくい薬を選択したり、薬の量を調整したりすることで、副作用を最小限に抑えるよう努めます。

わだ内科・胃と腸クリニックでは、脂質異常症の検査や治療も行っております。気になる症状がある方、健康診断で脂質異常症を指摘された方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

脂質異常症は自覚症状が少ないため、気づかぬうちに進行し、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気を引き起こす可能性があります。

この記事では、脂質異常症の定義、種類、原因、症状、診断方法、治療法、そして予防策までを網羅的に解説しました。

食生活の見直し、適度な運動、禁煙など、生活習慣の改善は脂質異常症の予防と治療に効果的です。バランスの良い食事を心がけ、コレステロールや飽和脂肪酸の多い食品を控え、食物繊維や抗酸化物質を豊富に含む食品、例えば、大豆製品、きのこ類、海藻類などを積極的に摂取しましょう。

また、定期的な健康診断で早期発見・早期治療に努めることも大切です。ご自身の健康状態を把握し、健康的な生活習慣を維持することで、脂質異常症の予防・改善に繋げましょう。

もし、健康診断で脂質異常症を指摘されたり、気になる症状がある場合は、医療機関に相談し、適切な検査と治療を受けてください。

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