メニュー

高血圧のお話

[2022.09.29]

わだ内科・胃と腸クリニック院長の和田蔵人(わだ くらと)です。

今回は高血圧についてご紹介させていただきます。

胃と腸クリニックなのに高血圧?と思われる方もいらっしゃる方もおられるかと思いますが、当院は消化器内科、つまりおなかの専門クリニックであると同時に内科の専門クリニックです。高血圧だけでなく、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病や風邪や頭痛などの一般的な内科の病気の検査、治療も行うことが出来ます。

また現和田医院同様、怪我や腰痛などに対する治療も行うことが出来ます。

クリニックの名前は変わりますが、和田医院で現在行っている検査、治療は全て変わらず行うことが出来ますので、安心して来院されてください。

さて本題に入ります。

血圧とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の中を流れる時に血管の壁にかかる圧力のことを言います。血圧が低すぎても、体のすみずみまで十分な酸素や栄養を送り届けることができなくなります。逆に、血圧が高すぎても動脈硬化などを引き起こす原因となり、脳梗塞などの重大な病気のリスクを高めてしまいます。

日頃から自分で血圧をチェックして、正常な値を保つことが健康を維持する上で大切なことです。

血圧の分類

高血圧の診断基準や降圧目標は近年、国際的に厳しくなっています。2019年に日本高血圧学会が発表した最新のガイドライン(高血圧治療ガイドライン2019)でもその傾向は顕著です。

以前は「正常高値血圧」に分類されていた、収縮期血圧(いわゆる上の血圧)130-139/拡張期血圧(下の血圧)80-89mmHgが今回から「高値血圧=高血圧の一歩手前で、注意が必要な高血圧予備軍」と引き上げられました。

またこれまでは収縮期血圧120-129/拡張期血圧80-84mmHgの方は「正常血圧」とされていましたが

高血圧へ移行するリスクが高いことがわかったため、正常血圧は120/80mmHg未満に引き下げられました。

なお「高血圧」とされるのは140/90mmHg以上で、これは従来のガイドラインと変わりなく、家庭血圧では135/85mmHg以上を高血圧としています。

高血圧の原因は?

①塩分の摂取量が多い

日本人の高血圧の最大の原因とされているのが、塩分の摂りすぎです。日本高血圧学会が推奨している塩分の摂取量は「1日6.0g未満」ですが国民健康・栄養調査2019によると、実際には約10gもになっているのが現状です。

では、なぜ塩分を多く摂ることで血圧が高くなるのでしょうか。人間の体には血液中のナトリウムというミネラルの濃度を一定に保つ仕組みがあります。塩分を摂ると血液の中のナトリウムの濃度が高くなるので、濃度を保つため体内の水分が血管の中に移動します。その結果、血液の量が増え、心臓は強い力で押し出すため、血圧が高くなります。

減塩(塩分を減らすこと)による血圧を下げる効果には個人差があると言われていますが、先ほどお話した様に日本人の塩分摂取量は高いため、まずは減塩をおすすめします。

②遺伝

高血圧には遺伝も関係しているといわれています。両親とも高血圧の場合には子どもが高血圧になる確率は約50%といわれており、血の繋がったご家族に高血圧の方がいる場合には、血圧の管理に気を付けましょう。

③肥満

何となく想像はできるとは思いますが、肥満も血圧のリスクになります。肥満、つまり内臓脂肪が増えると、インスリンという糖分をエネルギーに変えるホルモンの働きが低下します。すると膵臓から大量のインスリンが分泌されることになるのですが、インスリンには腎臓からの塩分の排泄を妨げる作用があるため、結果的に血液の中の塩分の濃度が高くなり、血圧の上昇に繋がります。

正しい血圧の測り方は?

最後に正しい血圧の測り方の説明をさせていただきます。

自宅で血圧を測られる際には体勢、測定するタイミング、測定する時の環境が大切です。

  • 測定するタイミング:朝は起きてから1時間以内、トイレを済ませた後、朝食前に測定します。血圧の薬を飲んでいる場合には飲む前に測定します。また夜は寝る前に測定します。
  • 測定する時の環境:座って1,2分安静にし、会話はしない様にしましょう。そして静かで適切な室温の環境で測定する様にしまうs。
  • 体勢:背もたれのある椅子に腰掛けていただき、カフ(腕に巻く部分です)の位置は心臓の高さにします。足は組まない様にしましょう。
  • 測定回数:朝と夜に1回ずつ測定するのではなく、朝、夜に2回ずつ測定し、それぞれの平均値を記録しましょう。

以上、今回は高血圧の話をさせていただきました。

高血圧の治療として降圧剤という血圧を下げる働きの薬が、日本国内にも数多く存在しますが、今回お話させていただいた様に私はまずは減塩を行うことが何よりの治療と思います。また肥満による影響もあるため、減量を行うことも大切です。減量を行うことは高血圧だけでなく、脂肪肝や高脂血症の治療にもつながります。

そこで以前からも度々ご紹介させていただいておりますが、当院ではクリニックには珍しく、管理栄養士が常勤として勤務しており、「栄養相談」という形で食事療法のアドバイスを行うことが可能です。予約制ではありますが、1回30分程度で行うことが出来ますので診察の待ち時間などを利用することが出来ますので、医師やスタッフにお気軽にご相談下さい。

栄養相談について詳しく見る

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME